筆ペン作品(手本)集~百花繚乱~

夜上受降城聞笛

 回楽烽と呼ばれる狼火台の前にひろがる砂漠の砂は、雪のように白く、受降城外にふりそそぐ月光は、霜のように冷たく冴えわたる。折から、どこからともなく聞こえてくる芦笛の音。その悲しい調べにさそわれて、この夜、遠征の兵士たちは悉く故郷の空を眺めやるのであった。