筆ペン作品(手本)集~百花繚乱~

湘南卽事

 金柑の花が開いて、紅葉した楓は散ってしまった。門を出て都の方を眺めようにも、はて都はどのあたりだろう。沅水も湘水も、昼夜休むことなく東に向かって流れてゆき、愁いに沈む人(わたし)のためにしばしの間もとどまってはくれぬ。